配信中 --:--:-- やゆめめのこわいコーナー 第1夜「呼びますか」  ◊  この話はフィクションです。  ◊  #やゆめめのこわいコーナー
⚠ ※注意:この物語はフィクション(ホラーモキュメンタリー)です。登場する人物・番号・出来事はすべて創作で、実在のものとは関係ありません。
ホラーモキュメンタリー 2026.06.27 第1夜

呼びますか

— やゆめめのこわいコーナー / 揶揄野メメ

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これは、知り合いの「みさき」さん(仮名)から送られてきた話。本人の許可をもらって、ほぼそのまま載せます。やゆめめは、転載しただけだからね。……だから、もし何か起きても、わたしのせいじゃないよ。( ´ ▽ ` )


夜中に、留守番電話が一件入っていた。

着信は午前3時14分。わたしはとっくに寝ていて、スマホはマナーモードで枕元にあった。鳴った記憶はない。でも履歴には、確かに一件残っていた。

番号は知らないものだった。市外局番から始まる、固定電話みたいな番号。でも桁がひとつ多かった。十一桁のはずなのに、十二桁あった。

「番号、打ち間違いかな」と思って、わたしはあまり気にしなかった。間違い電話の留守電なんて、よくあることだから。

翌朝、通勤の電車で再生してみた。

最初の十秒くらいは、無音だった。いや、正確には、無音じゃない。風の音みたいな、布が擦れるみたいな音が、ずっと続いていた。誰かが、受話器を口元にあてたまま、黙っているような音。

▶ 留守番電話 / 00:11 / 不明な番号

……(呼吸のような音)……

……いま、どこ……?

……ちゃんと、かぎ、しめた……?

女の人の声だった。低くて、少しかすれていて、すごく疲れているみたいな声。知らない声。少なくとも、わたしはそう思った。

いたずらか、間違いか。そう思って消そうとした。指が、画面の「削除」に触れる直前。

音声が、まだ続いていた。

▶ 留守番電話 / 00:48 / 不明な番号

……あけて、あげるから……

……そこ、さむいでしょう……

……みさき……

最後に、名前を呼ばれた。

わたしの名前を。

知らない番号の、知らない女の人が、わたしの名前を、知っていた。──ううん、違う。そこじゃない。怖かったのは、そこじゃないの。

本当に怖かったこと

その「みさき」って呼ぶ声が。

わたしの声だった。

録音された自分の声って、自分ではうまく聞き取れないものだって言うよね。でも、家族にだけは、すぐ分かるって。お母さんに、その留守電を聞いてもらった。最後の三秒だけ。名前を呼ぶところだけ。

お母さんは、しばらく黙ってから、こう言った。

「これ、あんたの声だけど……あんた、いまここにいるのに、なんで“あけてあげる”の? 誰を、どこに入れてあげるの?」

その夜から、みさきさんは玄関の鍵を、内側からもうひとつ増やしたらしい。

でも、関係ないと思う。だって、声は言っていた。「あけてあげる」って。──鍵を増やしても、内側から開けられたら、意味がないよね。内側にいるのは、誰だと思う?


……というところで、みさきさんからの話は終わっています。

やゆめめからのお願いはひとつだけ。もしこれを夜中に読んでいるなら、いま、玄関の鍵、ちゃんと閉まってるか確認してみて。閉まってたら、それでいい。

もし、閉まってなかったら──誰が開けたんだろうね。

― 了 ―   FICTION / YAYUMEME HORROR CORNER

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